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シルクスクリーン印刷で使う油性と水性インクの違い。家庭のハンドメイドは水性がオススメ
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ハンドメイドでTシャツでシルクスクリーン印刷をする場合のインクは、基本水性ラバーインクがベストです。

プロや工房では油性インクを使っていることも多いです。

シルクスクリーン印刷において、油性インクと水性インクはそれぞれ独自の特性を持ち、用途や仕上がりに影響を与えます。本記事では、両者の特徴、メリット・デメリット、適した素材や用途、環境への影響、そして選び方のポイントについて詳しく解説します。

ハンドメイドTシャツ
水性ラバーインクでプリントしたTシャツ
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シルクスクリーン印刷で使う油性と水性インクの違いを少し詳しく知りたい

Tシャツのシルクスクリーン印刷は初心者でも入りやすい人気のハンドメイド分野です。シルクスクリーン印刷には大きく分けて2種類(油性・水性)のインクがあります。それぞれの特性を調べてみました

水性インクは柔らかいので扱いやすく、細かいデザインもプリントがラクです。水性ラバーインクは一般的な水性インクよりも少し硬めではあります。
  • 油性インク(プラスティゾル)
  • 水性インク(今回は水性で一番オススメの水性ラバーインクで話をします)

プラスティゾル(油性)

PVC(塩ビ)と呼ばれるプラスチックが成分。アメリカで大量生産用として開発された。無臭で取扱は楽だが、熱乾燥が必要。

油性インクは、溶剤を基盤としたインクで、以下のような特性があります。

  • 発色性: 鮮やかな色合いを表現でき、濃色の生地にも高い不透明度で印刷可能です。
  • 耐久性: 洗濯や摩擦に強く、プリントの持ちが良いとされています。
  • 乾燥時間: 自然乾燥では時間がかかるため、熱処理による乾燥が一般的です。

ただし、溶剤特有の臭いがあり、作業環境の換気や安全対策が必要です。

油性のメリットは

  1. インクが乾燥しないため、多くの枚数が刷れる。そのままの状態で版の長期保存可能
  2. 鮮やかな色、強い質感を楽しめ多色刷りも得意
  3. 濃色にも色が綺麗にのる

油性のデメリットは

印刷後の熱処理に機材が必要。版や使用した道具の洗浄にはテレピンやシンナー等の有機溶剤で清掃が必要なのでハンドメイド作家が自宅で使用するにはやや難しい

太陽精機 シルクスクリーン 油性インク 80cc 黒

↑油性インクのなかでは気軽に試せる太陽精機のインク

ヒートガン

↑油性インクの乾燥、ヒートガンでも出来なくはないです

水性ラバーインク(水性)

アクリル系エラストマー(ゴム性の樹脂)水溶性。日本古来の捺染から改良されたインク。少し臭いがあり、自然乾燥するため素早い作業が必要。乾いてなければ水で洗い流すことが可能

水性インクは、水を基盤としたインクで、以下の特性を持ちます。

  • 風合い: 生地になじみやすく、柔らかな仕上がりとなります。
  • 環境・安全性: 有機溶剤を含まないため、環境や作業者への負荷が少ないです。
  • 乾燥時間: 比較的速く乾燥しますが、湿度や温度によって影響を受けることがあります。

しかし、濃色の生地では発色が劣る場合があり、適切な下地処理が求められます。

水性のメリットは

  1. 柔らかなビンテージな質感を楽しめる
  2. 水洗い可能
  3. 自然乾燥可能

水性のデメリットは

版の上でインクが乾いてしまうため、素早い作業を求められる。印刷の圧力やスピードによって印刷面の仕上がりが変わるため技術が必要とされる。インクの滲みや掠れが起きやすいです

ラバダ RUBADA [濃色生地用 不透明タイプ] 300ml 全13色 

↑水性ラバーインクの入門にはラバダでどうぞ

 

ハンドメイドでTシャツをシルクスクリーン印刷で自作すれば、既製品にはない楽しい部分がたくさんあります。DIY好きな方は是非一度試してみてはいかがでしょうか
初心者のTシャツ制作(ハンドメイド)でのシルクスクリーン印刷は水性ラバーインクで間違いないです!

使った印象は水性と油性のちょうど良さそうな部分が上手く混ざっている印象。アパレル業界での使用率の高さも納得です

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油性インクと水性インクの比較表

以下に、油性インクと水性インクの主な違いをまとめた表を示します。

特性油性インク水性インク
発色性鮮やかで不透明度が高い柔らかく自然な色合い
耐久性高い中程度
乾燥時間長め(熱処理で短縮可能)短め
作業環境換気や安全対策が必要比較的安全で環境負荷が少ない
適した生地濃色・淡色問わず主に淡色、生地によっては下地処理が必要
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適した用途と選び方のポイント

  • 油性インク: 濃色の生地や高い耐久性が求められる製品(例:スポーツウェア、作業着)に適しています。
  • 水性インク: 淡色の生地や柔らかな風合いを重視する製品(例:ファッションTシャツ、ベビー服)に適しています。

選択の際は、印刷するデザインや求める仕上がり、使用目的、環境への配慮などを総合的に考慮することが重要です。

環境への影響

水性インクは有機溶剤を含まないため、環境や作業者への負荷が少なく、エコフレンドリーな選択肢とされています。一方、油性インクは溶剤の揮発性有機化合物(VOC)排出が懸念されるため、適切な換気や廃棄物処理が求められます。

プロのTシャツプリント工場では、数百枚という大量印刷にはプラスチゾルインク(油性)が採用される一方、個人のハンドメイド・枚数では水性インクが主流となっています。

プラスチゾルインクは専用の設備が必要なため、個人での作業にはあまり適していません。

一方、ハンドメイドでのプリント作業では、水性インクは乾燥させないように注意すれば、万が一インクがはみ出しても水で簡単に洗い流せるという利点があります。自然乾燥で十分に乾かすことができるため、家庭での作業に最適です。

著者は、水性インクを使用して黒Tシャツに白インクを印刷した際、隠蔽性が低く真っ白な仕上がりにならない問題があり、油性インクの導入も検討しました。

しかし、様々な試行錯誤を経た結果、

水性ラバーインクを二度刷りすることで十分な隠蔽性を確保できることが明らかになりました。

水性ラバーインクならハンドメイド初心者でもシルクスクリーン印刷のプリントも簡単でした

※画像は全てイメージです。
※記載している内容は2025年2月現在のものです。
※一般的な使用方法をご紹介しています。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。

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