
Illustratorで文字を使って切り抜きたいとき、最初に迷いやすいのが
「どの機能を使えばいいのか」 です。
文字の中に画像を入れたいのか。
図形を文字の形でくり抜きたいのか。
透明感のあるマスク表現を作りたいのか。
目的によって使う機能が変わります。
この記事では、Illustratorで文字を切り抜く基本的な方法を、初心者向けに3つに分けて整理します。
- 画像を文字の形にする:クリッピングマスク
- 画像を文字で透過させる:透明マスク
- 図形を文字の形でくり抜く:前面オブジェクトで型抜き
Illustrator自体の基本操作に不安がある場合は、先にこちらの記事を確認しておくと理解しやすくなります。
Illustrator(イラストレーター)超初心者ガイド — 何ができる?どう使う?
この記事は初心者でも実践できるよう、手順ごとに操作画面(スクショ)を入れて解説しています。
まず結論|目的によって使う機能が違う
Illustratorで文字を切り抜く場合、最初に考えるべきことは
何を文字の形にしたいのか です。
| やりたいこと | 使う機能 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 写真や画像を文字の中に入れたい | クリッピングマスク | 文字の中に写真を見せる |
| 画像を文字で透過・フェードさせたい | 透明マスク | 透明感やグラデーション表現 |
| 図形を文字の形でくり抜きたい | 前面オブジェクトで型抜き | ロゴ・ステッカー・型抜き風デザイン |
初心者の場合、まずは
クリッピングマスク から覚えるのが一番わかりやすいです。
画像の切り抜き全般については、こちらの記事でも基本を整理しています。
イラストレーターで画像を切り抜きたい!クリッピングマスクの基本と実例
クリッピングマスクで画像を文字の形に切り抜く
クリッピングマスクは、Illustratorで画像を文字の形に見せたいときに使う基本機能です。
たとえば、写真や柄を文字の中だけに表示したい場合に使います。
向いているケース
- 画像を文字の中に入れたい
- 写真を使ったタイトル文字を作りたい
- 文字の中の画像位置をあとから調整したい
- 初心者でも簡単に作業したい
手順
- Illustratorで画像を配置する
- 太めの文字を入力する
- 画像の上に文字を重ねる
- 画像と文字を両方選択する
- オブジェクト > クリッピングマスク > 作成 を選ぶ
これで、画像が文字の形に切り抜かれたように表示されます。
ポイント
文字は太いフォントを使った方が、画像が見えやすくなります。
細い文字だと、せっかく画像を入れても中身が見えにくく、効果が弱くなります。
また、切り抜いたあとでも画像の位置は調整できます。
レイヤーパネルからマスクの中に入り、画像だけを動かせば、文字の中に見える位置を変えられます。
解除方法
クリッピングマスクを解除したい場合は、
オブジェクト > クリッピングマスク > 解除
を選びます。
クリッピングマスクの長所・短所
長所は、あとから編集しやすいことです。
画像の位置や大きさを調整しやすく、初心者でも扱いやすい方法です。
短所は、文字そのものに複雑な効果を直接かけたい場合に、少し扱いづらくなることです。

次は、テキストを用意。
太いフォントの方が背景画像がよく見えるのでオススメ。
画像の上にテキストオブジェクトを重ねます。

画像とオブジェクト両方を選択して、オブジェクト>クリッピングマスク>作成

クリッピングマスク機能を使って、簡単に画像を文字の形に切り抜けました。

切り抜きの位置を修正するにはレイヤーパレットの右上メニューから編集モードを開始にします(オブジェクトをダブルクリックでもできます)


これで元の画像位置を変更できます

オブジェクト>クリッピングマスク>解除でマスクが外れます

マスクが解除されました

透明マスクで画像を文字の形に見せる
透明マスクは、画像の見え方をより細かく調整したいときに使います。
クリッピングマスクが「文字の形で画像を見せる」方法だとすれば、透明マスクは
白黒やグラデーションを使って、見える部分・隠れる部分を調整する方法 です。
向いているケース
- 文字の中に画像を入れたい
- 透明感のある表現を作りたい
- グラデーションで徐々に消える表現を作りたい
- クリッピングマスクより細かく調整したい
手順
- 画像を配置する
- 文字を画像の前面に配置する
- 画像と文字を両方選択する
- ウィンドウ > 透明 を開く
- 透明パネルで マスク作成 をクリックする
- 必要に応じて クリップ と マスクを反転 を調整する
透明マスクは、最初は少し分かりにくいです。
ただし、慣れるとクリッピングマスクより表現の幅が広がります。
ポイント
透明マスクでは、白い部分が見え、黒い部分が隠れるという考え方を使います。
グラデーションを使えば、写真が少しずつ消えていくような表現も作れます。
Illustratorでグラデーションや透明表現を使う場合は、こちらの記事も関連します。
イラストレーター:グラデーションの基本を知る・色の変え方や透明にする方法
文字にグラデーションを使いたい場合はこちらも参考になります。
文字(テキスト)にグラデーションを適用させる方法・写真を徐々に透明にするグラデーションの作り方も
透明マスクの長所・短所
長所は、透明度やグラデーション表現を細かく作れることです。
短所は、初心者には仕組みが少し分かりにくいことです。
単純に画像を文字の形にしたいだけなら、まずはクリッピングマスクで十分です。

透明パネルが表示されたら、
マスクの種類[通常]、不透明度100%で[マスク作成]をクリック。

マスク作成後、パネルの[クリップ]と[マスクを反転]のチェックを外すと、画像を文字の形に型抜きができます

前面オブジェクトで型抜き|図形を文字の形でくり抜く
前面オブジェクトで型抜きは、図形を文字の形でくり抜きたいときに使います。
写真を文字の中に入れるというより、
四角形や円などの図形に、文字の穴を開ける イメージです。
ロゴ、ステッカー、Tシャツデザイン、バッジ風デザインなどで使いやすい方法です。
向いているケース
- 図形を文字の形でくり抜きたい
- ロゴのようなデザインを作りたい
- 文字が抜けたシルエットを作りたい
- 印刷やカッティング用のデータを作りたい
手順
- 四角形や円などの図形を作る
- その上に文字を配置する
- 文字を前面に置く
- 必要に応じて文字をアウトライン化する
- 図形と文字を両方選択する
- ウィンドウ > パスファインダー を開く
- 前面オブジェクトで型抜き をクリックする
これで、背面の図形が文字の形にくり抜かれます。
アウトライン化には注意
文字をアウトライン化すると、文字は図形として扱えるようになります。
ただし、一度アウトライン化すると、通常のテキストとして編集しにくくなります。
文字のアウトライン化がよく分からない場合は、先にこちらの記事を確認しておくと安全です。
イラストレータでアウトライン化する方法・印刷入稿や外部にデータを渡す時には必須
前面オブジェクトで型抜きの長所・短所
長所は、図形を完全に文字の形でくり抜けることです。
ステッカーやロゴのような、はっきりした形を作りたいときに向いています。
短所は、写真や画像の切り抜きには向いていないことです。
写真を文字の中に入れたい場合は、クリッピングマスクか透明マスクを使う方が自然です。

メニューからウィンドウ>パスファインダーを選択して、パスファインダーパネルを開きます。

重なった部分が文字のかたちにくり抜かれます。

青い四角形が文字の形で切り抜けました

3つの方法の違いをもう一度整理
Illustratorで文字を切り抜く方法は、見た目が似ていても目的が違います。
画像を文字の中に入れるならクリッピングマスク
写真や柄を文字の中に表示したい場合は、クリッピングマスクが一番簡単です。
初心者が最初に覚えるなら、この方法で問題ありません。
透明感を調整したいなら透明マスク
文字の中の画像をフェードさせたい、透明感を出したい場合は透明マスクが向いています。
ただし、操作は少し複雑です。
図形を文字でくり抜くなら前面オブジェクトで型抜き
ロゴやステッカーのように、図形に文字の穴を開けたい場合は、前面オブジェクトで型抜きを使います。
Tシャツデザインやバッジ風のロゴ作成にも応用できます。
実例としては、こちらの記事も近い使い方です。
【初心者OK】Illustratorでレトロバッジ風ロゴを作る方法|Tシャツデザインへの応用も解説
文字を変形させたデザインにしたい場合は、エンベロープ機能も使えます。
イラストレーター【エンベロープ機能】で遊び心のあるタイポグラフィーデザインの作り方
よくある失敗と対処法
文字の中に画像が表示されない
画像と文字の重なり順を確認します。
クリッピングマスクでは、基本的に切り抜きに使う文字を前面に置きます。
うまくいかない場合は、文字と画像を両方選択できているかも確認してください。
文字が細くて画像が見えない
細いフォントを使うと、画像がほとんど見えません。
画像を文字の中に見せたい場合は、太めのフォントや太字を使う方が効果が出ます。
透明マスクの見え方が逆になる
透明マスクでは、白黒の考え方で表示範囲が変わります。
思った見え方と逆になる場合は、透明パネルの
マスクを反転 を切り替えて確認します。
切り抜いたかどうか分かりにくい
背景に別の色の四角形を置くと、切り抜けているか確認しやすくなります。
特に前面オブジェクトで型抜きを使った場合は、背景色を置くと文字の穴が確認しやすいです。
まとめ|初心者はクリッピングマスクから覚えると分かりやすい
Illustratorで文字を切り抜く方法は、大きく3つあります。
- 画像を文字の形にするなら、クリッピングマスク
- 透明感を細かく調整するなら、透明マスク
- 図形を文字でくり抜くなら、前面オブジェクトで型抜き
初心者の場合は、まず
クリッピングマスクで画像を文字の形にする方法
から覚えるのが分かりやすいです。
そのあと、透明マスクやパスファインダーを覚えると、ロゴ、Tシャツ、ステッカー、バッジ風デザインなどにも応用しやすくなります。
Illustratorの基本から整理したい場合は、こちらもあわせて確認しておくと作業の理解が進みます。
Illustrator(イラストレーター)超初心者ガイド — 何ができる?どう使う?


























