
ハンドメイドでシルクスクリーンを作るには、自分でデザインしたものを製版用にデータ化する必要があります。製版データを作る際に、私が最もよく使うのが「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」です。
このソフトはアマチュアからプロまで幅広いデザイナーが使用する定番ツール。価格は少し高めですが、デザインをするなら必須といえるでしょう。この記事では、イラストレーターを使ってシルクスクリーン製版用のデジタルデータを作成する方法を解説します。
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Contents
シルクスクリーンの製版データを作る基本ルール
シルクスクリーンの製版データを作る際の基本ルールは次のとおりです。
- 黒1色(K100%)で作成する
- 製版や印刷が正しく行われるためには、必ずK100%(濃淡なしの黒)でデータを作る
- 線の太さは0.2mm以上
- 細すぎる線は印刷時に再現が難しくなる
- フォントはアウトライン化する
- 文字をそのまま使用するとフォント情報が異なる環境で崩れる可能性がある

イラストレーターはベクタ形式なのを理解する
イラストレーターはベクター形式のグラフィックソフトです。ベクターとは「数値で描かれたデータ」のことで、拡大・縮小しても劣化しないのが特徴。これにより、どんなサイズの製版データも自由に作成できます。
ただし、写真などの画像データの編集には向いていません(加工は可能ですが得意ではありません)。
イラストレーターは文字のアウトライン化が必須
イラストレーターでは、自由にフォントを使ったデザインが可能です。ただし、フォントをそのまま使用すると環境によって表示が崩れるため、アウトライン化するのが必須。
アウトライン化すると、文字もベクターデータになり、どんな環境でもデザインが崩れません。
イラストレーターでの製版データを実際に作っていきましょう
新規ドキュメントを作成
- 「メニュー」→「ファイル」→「新規」を選択
- 製版サイズよりも大きめのドキュメントサイズを設定
- カラーモードは「CMYK」を選択
- 保存先は外付けHDDやクラウドがオススメ(PC内だけだとデータ消失のリスクあり)

製版するサイズより大きいサイズをドキュメントに設定して、カラーモードを「CMYK」にします

デザインを作成
- フォントやイラストを使いデザインを完成させる
- 黒1色(K100%)で作成する
- 線の太さは0.2mm以上
フォントやイラストなどを使ってデザインを完成させます

フォントをアウトライン化
完成したデザインで「メニュー」→「書式」→「アウトラインを作成」でフォントをアウトライン化

不要なオブジェクトを削除
不要なものは削除(エラーの原因になることがある)
余分なオブジェクトがないかプレビューで確認

トリムマークをつける
- 最後に「トリムマーク」を設定
黒1色(K100%)になっているかを確認して最後にトリムマーク※をつけたら完成



完成したデザインをシルクスクリーンで印刷し、Tシャツを制作しました。撮影スタイルによって同じTシャツでも見え方が変わるのが面白いポイントです。
- 柔らかい雰囲気を狙った写真
- 陰影を強調した写真
撮影方法を工夫することで、作品の印象が変わります。シルクスクリーンTシャツはハンドメイドでもプロと同じ工程を経るため、高品質な作品を作りやすいのが魅力です。



イラストレーターを使えば、シルクスクリーンの製版データを高品質に仕上げることができます。
- 作業時間の短縮
- デザインの自由度アップ
- クオリティ向上
良いツールを活用することで、より創造的な制作が可能になります。ハンドメイドでも、アイデアを活かしながら効率的にデザインできるのが理想ですね。
製版データの作成方法には他の手段もあるので、また別の記事で紹介しようと思います!
※画像は全てイメージです。
※記載している内容は2025年3月現在のものです。
※一般的な使用方法をご紹介しています。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。
