
シルクスクリーン印刷の版を作るには紗張り(メッシュ張り)→感光乳剤を塗り乾かした後デザインを版に密着させて露光→固まったら水で余計な部分を洗い流して完成します。シルクスクリーン印刷ではこの版づくりの工程に一番手間と時間がかかります。それでは一度完成した版を違うデザインで再利用するのは可能でしょうか?
シルクスクリーン印刷で版の再利用について
最初に結論を言いますと
版の再利用は可能でそれによりコストも下げられる
しかし手間と時間を考えると紗(メッシュ)を張り替えた方が効率的かも?
私の場合はこういう結論になりましたが、紗(メッシュ)の再利用はよく行われています。うまく出来る人にとってはコストダウンも含め良い方法だと思います
版の再利用方法
固まった露光剤を洗い流して、版を再利用する方法はいくつかありますが基本は以下の方法です
1.インクを完全に落とす(必要ならへら等をつかう)
2.ペイントうすめ液などを含ませた布で紗(メッシュ)の裏表をきれいになるまで拭く
3.2で紗(メッシュ)が綺麗になったら、ブリーチ(家庭用の漂白剤)を表裏にまんべんなくかける※キッチンペーパー等を濡らして全面に敷いておくと無駄がなく効率的
4.10分くらい置いたら、水道水できれいに洗う。
専用薬剤を使用した版の再生方法もあります
剥離用の専用薬剤はジアゾ再生液や剥離剤という名前で販売されています。これを裏表全体によく吹き付けて2~3分放置した後、高圧の水で洗い流すと綺麗に感光乳剤が取れます。ここでの注意点は再生に使う薬剤は、基本的にその感光乳剤を作っている同じメーカー製品を使用しましょう。
感光乳剤を作っているメーカーが、一番その性質を良く知っているのと違うメーカーだと相性で効果が悪い場合もあるようです
全面で細かいデザインのせいもあるのでしょうか、何回かやりましたが毎回すごい大変だったんですよね。。。(苦笑)
紗(メッシュ)を再利用するにはデザインを一度落として再利用することはできますが、私が色々試した感じでは時間と手間がかかりすぎるしゴーストや目詰まりがてでしまい2回目の製版(露光)がきれいにできない。ということが結構な割合で起きてしまい失敗するとこが多かったです。そもそも硬く(しっかり)露光されてるとかなり苦労しました。これでは紗(メッシュ)を張り直した等が時間も労力も少ないじゃないか!という結論にいたり、紗(メッシュ)は張り直す事にしてます
※画像は全てイメージです。
※記載している内容は2020年7月現在のものです。
※一般的な使用方法をご紹介しています。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。
