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シルクスクリーン印刷における「版の再利用」完全ガイド
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シルクスクリーン印刷の版を作るには紗張り(メッシュ張り)→感光乳剤を塗り乾かした後デザインを版に密着させて露光→固まったら水で余計な部分を洗い流して完成します。シルクスクリーン印刷ではこの版づくりの工程に一番手間と時間がかかります。それでは一度完成した版を違うデザインで再利用するのは可能でしょうか?

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✅結論から言うと「再利用は可能。でも注意点が多い」

シルクスクリーン印刷において、一度作った版を再利用することは技術的には可能です。ただし、実際にやってみると手間や失敗リスクも高く、状況によってはメッシュ(紗)を張り直す方が効率的な場合もあります。

本記事では、そんな「版の再利用」について詳しく解説し、初心者の方でも迷わずに判断・実践できるように情報を整理しました。

再利用のメリット・デメリット【一覧表】

項目メリットデメリット
再利用の可否可能(薬剤や道具があれば)デザインや作業ミスによっては失敗しやすい
コスト面新たなフレーム購入不要で安く済む専用薬剤や時間がかかるため、結果的にコスト増の場合も
時間効率成功すれば早い感光剤の剥離に手間がかかると逆に非効率
成功率小さな図柄なら比較的やりやすいゴーストや目詰まりが発生しやすく、再露光が困難な場合も
すごく綺麗に落ちてますね、私はこう上手くいかないです。この位小さい図柄だと落としやすいのかな〜
全面で細かいデザインのせいもあるのでしょうか、何回かやりましたが毎回すごい大変だったんですよね。。。(苦笑)
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シルクスクリーンの版再利用の基本手順

ここからは、実際の再利用方法を工程ごとに詳しく解説していきます。

【STEP1】使用済みインクの完全除去

  • 印刷後に残っているインクを、へらやカードスクレーパーでしっかり取り除きます。
  • 乾いてしまったインクは落ちにくいため、なるべくすぐに処理するのがベスト。

【STEP2】うすめ液などでメッシュをクリーニング

  • ペイントうすめ液エコクリーナーを含ませた布やペーパーで、メッシュの表裏を丁寧に拭き取ります。
  • 洗浄が不十分だと次の工程で乳剤がうまく剥がれません。

【STEP3】漂白剤(ブリーチ)で感光剤を浮かせる

  • **家庭用漂白剤(キッチンハイターなど)**を使い、メッシュ全体にしっかり染み込ませます。
  • キッチンペーパーを濡らして上に敷いておくと、薬剤が均一に行き渡りやすくなります。
  • 約10分放置します。

【STEP4】水洗いで洗浄

  • 時間を置いた後は、水道水やシャワーで丁寧に洗い流します
  • 落ちきっていない箇所があれば、再度漂白剤を使ってもOKですが、強くこすりすぎるとメッシュを傷めるので注意。
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専用薬剤を使った「本格的な再生方法」

再利用の成功率を上げるには、専用の感光剤剥離薬品を使うのが効果的です。

▼主な薬剤と特徴【表】

名称特徴注意点
ジアゾ再生液感光乳剤(ジアゾ系)を強力に分解使用感光剤とメーカーを合わせるべき
剥離剤感光剤を溶かして除去。噴霧式が多い高圧洗浄機と併用しないと落ちにくい
メッシュリムーバー感光剤だけでなくゴースト(残像)も除去強力すぎるとメッシュを傷めるリスクも

【再生手順(専用薬剤ver)】

  1. 乾いた版に薬剤をスプレーでまんべんなく噴霧
  2. 2~3分放置
  3. 高圧洗浄機で裏表をしっかり洗浄
  4. メッシュにゴースト(残像)がないか確認

失敗しやすいポイントと注意点

  • 露光が強く当たった版は剥がしづらい:完全に固まった乳剤は薬剤でも取りづらくなる。
  • ゴースト(デザインの跡)が残りやすい:次の製版時に感光がうまくいかない要因に。
  • 目詰まりが取れにくい:印刷時にインクがうまく抜けなくなるリスク。
  • 薬剤の相性が悪いと全く落ちないことも:違うメーカーを混用しない方が安全。

再利用が向いているケースとは?

以下のような場合には再利用も現実的で、成功率が高くなります。

  • 小さなデザイン/図柄である
  • 使用後すぐに洗浄・処理を行った
  • 露光時間を短めにしていた
  • 専用薬剤と高圧洗浄機を用意できる

実際にやってみた感想(著者の経験談)

私自身も何度か再利用に挑戦しました。
小さな図柄は割と綺麗に落ちたのですが、細かいデザインや広い面積になるとゴーストや目詰まりが出て、2回目の露光が失敗することが多かったです。

正直、感光剤がしっかり固まっていると**「削り取るようなレベル」でやらないと取れません**。これでは「メッシュを張り直した方が楽だ…」という結論に至りました。

まとめ:再利用するか、張り替えるか?

選択肢おすすめケース
再利用・小さな図柄のみ
・道具が揃っている
・時間と根気がある
メッシュ張替え・広い面積の図柄
・素早く作業したい
・失敗リスクを減らしたい

紗(メッシュ)を再利用するにはデザインを一度落として再利用することはできますが、私が色々試した感じでは時間と手間がかかりすぎるしゴーストや目詰まりがてでしまい2回目の製版(露光)がきれいにできない。ということが結構な割合で起きてしまい失敗するとこが多かったです。そもそも硬く(しっかり)露光されてるとかなり苦労しました。これでは紗(メッシュ)を張り直した等が時間も労力も少ないじゃないか!という結論にいたり、紗(メッシュ)は張り直す事にしてます

※画像は全てイメージです。
※記載している内容は2025年4月現在のものです。
※一般的な使用方法をご紹介しています。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。

 

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