
シルクスクリーンプリントでは、露光後にデザインを抜いた後、版を確認すると不要な部分にピンホール(色抜け)が見つかることがある。
このピンホールは意外と発生しやすい。確認を忘れると、インクが付いてはいけない場所に色が乗ってしまい、仕上がりに影響する。
シルクスクリーン印刷は「孔版印刷」とも呼ばれる。印刷部分にだけ小さな穴が開いていて、その穴を通してインクが転写される仕組み。だからこそ、余計な穴があると不要な部分にインクが付いてしまう。
ピンホールを見つけたら、しっかり修正して仕上がりを整えよう。

仕上がりを綺麗にするために、必ず確認し、必要なら補修しよう。
特に、ベタ面が多いデザインではピンホールが発生しやすくなる。印刷前にしっかりチェックすることが大切だ。
ピンホールの多くは、製版の露光時にできる小さな穴が原因。
感光液が版の表面にしっかり塗れているかを確認しよう。ただし、厚塗りはNG。薄く均等に塗ることが重要だ。
仕上がりを良くするためにも、細かいチェックを忘れずに。
ピンホールは、露光に使う乳剤を使えば後から補修できる。
印刷前にしっかりチェックし、見つけたら早めに修正しよう。仕上がりの品質を保つためにも、丁寧な補修が大切だ。
ピンホールの補修は「目止め」と呼ばれる。穴が開いた部分に筆で乳剤を丁寧に塗布すれば、埋めることができる。
修正後は、版にしっかり固着させるため再度露光するのがおすすめ。ただ、簡単な方法として、補修後に少し日光に当てるやり方もある。これは感光膜をしっかり硬化させ、版を補強する効果もあるため、補修がなくても行うとよい。
版の裏側を日光に5〜10分ほど当てればOK。
また、余った感光乳剤は紙やアルミホイルで遮光し、冷蔵庫で保管しよう。低温で暗所に置くと長持ちする。

マニキュアのトップコートは、手軽にピンホールを補修できる便利なアイテム。
細かい穴を埋めるのに使いやすく、乾きも早いので時短にもなる。急ぎのときや簡単な修正なら、ぜひ活用してみよう。
ピンホール補修(目止め)は、身近なアイテムでもできる。
たとえば、マニキュアのトップコート。刷毛付きで塗りやすく、コンビニでも手に入るので便利。乳剤がないときの簡単な補修にぴったりだ。
ほかにも、セメダイン、修正液、スキングテープなども使える。重要なのは、穴をしっかり塞ぎ、インクが通らないようにすること。
ただし、補修後はスキージがスムーズに動くか確認しよう。仕上がりをキレイに保つための大切なポイントだ。

ピンホールはなぜおこる?
ピンホールは、シルクスクリーン製版時にできる小さな穴。発生する主な原因は以下のとおり。
- 感光乳剤の塗布ムラ
均一に塗れていないと、薄い部分が露光時に穴になりやすい。 - ゴミやホコリの混入
乳剤を塗るときに微細なゴミが入ると、現像時に剥がれてピンホールができる。 - 露光時間の不足や過多
適切な時間で露光しないと、感光乳剤の定着が不十分になり穴が発生する。 - 水洗時のトラブル
洗い流しが強すぎると、乳剤が剥がれやすくなる。逆に弱すぎると未硬化部分が残り、仕上がりに影響する。 - 版の劣化
何度も使用した版は、細かいダメージが蓄積してピンホールができやすくなる。
ピンホールを防ぐには、感光乳剤を均一に塗り、作業環境を清潔に保つことが重要。露光時間や水洗の加減にも気をつけよう。
- ガラス面の汚れ
露光時にムラができ、ピンホールの原因になる。 - 乳剤膜の厚みが不適切
厚すぎると定着しにくく、薄すぎると穴ができやすい。 - 露光時間のミス
長すぎても短すぎても、乳剤の定着が不安定になりピンホールが生じる。
ピンホールがあると、刷る際にインクが版を通過し、仕上がりに影響してしまう。印刷前にしっかり確認し、見つけたら補修しよう。


シルクスクリーンでの製版工程は枠にメッシュを貼り原稿と紗を露光機にセットし、製版します。製版後、ピンホールがないかしっかり確認が必要です。このピンホール確認をしっかりやるところまでが製版作りになります。感光乳剤で修正出来ますが、もっと気軽だとマニュキュアのトップコート等でも出来ますので確認と補修は忘れずにしましょう!こういう小さな積み重ねが作品のクオリティアップに繋がると思います。
※画像は全てイメージです。
※記載している内容は2025年4月現在のものです。
※一般的な使用方法をご紹介しています。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。
