Design
シルクスクリーン印刷でのTシャツ制作におけるインクの重要性
Colin Blanchard, Printmaker, Waterbeck, Dumfries & Galloway. www.colinblanchard.com
スポンサーリンク

Tシャツの製作でシルクスクリーンに使用するインクは水性・有機溶剤系、油性等があります。お互いに混合出来ないので、どれかを選ぶ必要がありますが、用途によって特性も変わります。耐性や接着率も違うので使用目的に合わせてインクの種類は選ぶことになります。シルクスクリーンでも対象が綿、つまりTシャツに使用するインクを今回は初心者向けに解説します

James Johnstone Inking Colin Blanchard, Printmaker, Waterbeck, Dumfries & Galloway. www.colinblanchard.com
スポンサーリンク

初心者が最初に使用するのは水性インクがベスト

顔料素材で重金属は含まれないのが水性インクです。低公害で毒性の危険も低いので家庭での使用は水性インクがベストです。水性の名の通り媒体が水のため刷った後のに伸びることがありますので刷り面積が大きい場合は気をつけましょう。また保存期間も通常1年程です。刷った後にアイロン仕上げすれば耐水性が格段に上がります

油性インクは重金属を含み、版を洗浄するのに有機溶剤が必要で引火の可能性や中毒の心配もあります。現在の環境配慮の視点からも家庭使用やハンドメイド作品には水性の使用が好ましいと考えます

水性インクの特長とメリット

水性インクは環境に優しく、毒性が低いため家庭やハンドメイドでのTシャツ制作に最適です。特に、初心者には扱いやすく、洗い流す際にも水だけで簡単に処理できるのが魅力です。

水性インクには、布に染み込むダイカラーや、隠蔽力のあるラバダ(ラバーインク)が代表的な種類として挙げられます。

水性インクではダイカラーがオススメ

ダイカラーインク

ダイカラーインクは、Tシャツの生地に浸透し、プリント後はサラサラとした手触りが特徴です。薄い色のTシャツに特に適しており、色が鮮やかで初心者に扱いやすいという利点があります。版の目詰まりが少なく、連続してプリントすることができるため、複数枚のTシャツを作成する場合にも便利です。

ダイカラーのメリット:

  • カラー展開が豊富で、鮮やかな色味を表現可能。
  • 薄いボディのTシャツに最適。
  • 初心者向けのインクとして使いやすい。
  • 刷った後にアイロンで定着させることで耐水性が向上。

ただし、ダイカラーインクは濃い色のTシャツには向いていないため、薄い生地のTシャツに使用するのが一般的です。

<商品仕様>
◆布・紙兼用、水溶性タイプの扱い易いスクリーン絵の具。
◆対応メッシュ:50~180メッシュ
◆混色が自由にでき、布・紙以外に木などにも印刷できます。
◆使用する時は、よくかきまぜてからご使用ください。
◆透明性絵の具のため、塗り重ねによる色の重なりをお楽しみいただけます。
◆布地印刷の場合、乾燥後にアイロンで熱処理をして下さい。
・普通色:140度以上で約50秒(裏面から、または、あて布をしてかけて下さい)

アウトドア用品【L-Breath】

濃い色のボディのTシャツにはラバダで

黒・紺のTシャツにプリントするならラバダが向いています。隠蔽力が高いので濃いボディのTシャツにインクを乗せる感じのイメージで印刷が綺麗に出来ます。ただしインクの粘度が高く乾きも早いせいで版の目も詰まりやすいので初心者には少し扱いずらく、連続印刷も多くは難しいでしょう。慣れてきたらラバーインクという選択もあります

新日本造形 水溶性スクリーンインク 水性ラバーインク ラバダ (RUBADA) 白 300ml

ラバダ(ラバーインク)

濃い色のTシャツには、隠蔽力の高いラバダインクが最適です。ラバダはインクがTシャツの表面にのるようにプリントされ、発色も良好で、重ね塗りにも対応します。特に、黒や濃紺などのボディカラーに対しては、他のインクでは表現が難しい色のコントラストを実現できます。

ラバダのメリット:

  • 隠蔽力が強く、濃い色のTシャツに適している。
  • 重ね塗りが可能で、複数回のプリントにも耐える。
  • 乾燥が早く、完全な乾燥後はアイロンでの仕上げ不要。

ただし、粘度が高く版の目詰まりを起こしやすい点があり、初心者にはやや難しい場合もあります。

<商品仕様>
◆不透明ウレタンラバーインク
◆対応メッシュ:70~180メッシュ
◆表面乾燥:20~30分
◆完全乾燥:60~120分
※乾燥後のアイロン熱処理は不要。ドライクリーニングは不可。
◆対応布地:濃色布地、天然繊維、ポリエステル、T/C
(テトロンとコットン混紡)

初心者は今回の2種類から選べばOK

Tシャツに使用するシルクスクリーンのインクは水性で『ダイカラー』『ラバダ』がまずはオススメと説明しました。他にも水性インクや使用できるインクはありますが、手に入れやすさや初心者向けを考慮すると今回の2種類で良いと思います。

油性インクの利用

油性インクは耐久性が高く、鮮やかな発色が特徴ですが、有機溶剤を使用するため取り扱いには注意が必要です。また、版の洗浄に有機溶剤が必要で、環境負荷が高い点や引火の危険性もあるため、一般家庭や初心者の使用にはあまり適していません。

スポンサーリンク

インクの選び方まとめ

Tシャツ製作において、初心者にはまず水性インクをおすすめします。以下のポイントを参考にしてください。

  • 薄い色のTシャツにはダイカラーインク。色鮮やかで手触りが滑らか、初心者に優しいインクです。
  • 濃い色のTシャツにはラバダインク。隠蔽力が高く、発色が鮮やかです。

また、慣れてきたら油性インクや他の特殊インクにも挑戦すると、さらに表現の幅が広がります。

シルクスクリーン印刷における図表の活用

初心者にとって視覚的なガイドはとても重要です。以下の図表を参考に、各インクの特性を比較してみましょう。

インク種類隠蔽力適したTシャツカラー乾燥時間メリットデメリット
水性ダイカラー薄色約1時間鮮やかな発色、扱いやすい濃い色のTシャツには不向き
水性ラバダ濃色20~30分隠蔽力が強い、重ね塗り可能乾燥が早く、目詰まりしやすい
油性インク非常に高いすべて長い(有機溶剤使用)高耐久、鮮やか取り扱いが難しく環境負荷が高い
この表を参考に、どのインクを選ぶかを検討してください。
スポンサーリンク

まとめ

初心者がシルクスクリーン印刷でTシャツ制作に挑戦する際には、まず水性インクを選ぶことを推奨します。安全性や取り扱いの簡便さから、ダイカラーやラバダが適しており、薄い色のTシャツや濃い色のTシャツに応じて使い分けることが可能です。

適切なインク選びで、クオリティの高いTシャツ制作を楽しみましょう!

 

 

よく聞くTシャツくんも良いですが少々割高な印象なのと、個人的にパッケージがあまり好きではありません(笑)

 

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事