
「感光乳剤がうまくのらない…」「露光が失敗して全然デザインが出てこない…」——
シルクスクリーン印刷に挑戦してみたものの、最初の難関はなんといっても「製版作業」ですよね。筆者も何度も失敗を繰り返し、そのたびに泣きそうになりました(笑)
そこで今回は、初心者がやってしまいがちな製版失敗の原因と対策を、Q&A形式でわかりやすくまとめました!一つずつ確認しながら進めれば、製版の成功率がグンとアップしますよ。
Contents
シルクスクリーン製版の失敗克服10のポイント
- メッシュを綺麗にしたか
- メッシュの張りが緩くないか?
- 感光乳剤を厚めにメッシュに塗ってないか
- 感光乳剤が完全に乾燥していない状態でないか?
- 露光が強すぎ?
- 露光が弱すぎ?
- デザインの黒の濃度が薄くないか
- デザインが版に完全に密着していない
- 作業中に日光は遮断しているか
- 乾燥時の温度は高すぎないか
1.メッシュは中性洗剤で洗い綺麗にする
製版に使うメッシュ(版)は、新品でも油分やホコリが付着していることがあります。そのままだと、感光乳剤がうまく定着せず、ムラや剥がれの原因に。
- 中性洗剤で全体を洗う(ゴシゴシしすぎない)
- よく乾かしてから乳剤を塗布する
これだけでも製版の仕上がりがかなり変わります!
2.メッシュの張りが緩くないか?
メッシュが緩いと、感光乳剤の塗布や露光時にムラが出たり、プリント時ににじんだりします。
- メッシュはしっかり引っ張りながら貼る
- 枠の接着剤(ボンド)は完全に乾いてから使用
張りがしっかりしていることで、デザインもきれいに出て、刷りもスムーズになりますよ!
3.感光乳剤を厚めにメッシュ(版)に塗ってないか
厚く塗りすぎると乾きにくく、ムラや泡の原因になります。コツは以下の通り:
- スキージで均一に薄く塗る
- 乾燥させてから**もう一度塗る(2回塗り)**のがおすすめ
- 気泡が入ったら爪楊枝や針で潰す
乾燥時は埃が入らないよう注意!
4.感光乳剤が完全に乾燥していない状態でないか?
感光乳剤がまだ湿っている状態で露光すると、気泡が出たり、デザインがうまく定着しません。
- 常温で半日以上置くのが安全
- ドライヤーを使うなら温風NG!送風モードでやさしく
- 指で触れてもツルっと乾いているのが目安
乾かしきる、これ大事です。
5.露光が強(長)すぎ?
- 露光が強すぎる→乳剤が固まりすぎて、デザインが抜けない
- 露光が弱すぎる→乳剤が洗い流されすぎて、全体が溶けてしまう
対策としては:
- 小さなテスト用の版で露光テストをする
- 毎回の露光時間・使用ライト・距離を記録しておく
「露光=数値管理」が成功のカギです!
6.露光が弱(短)すぎ?
- デザインの黒が薄いと、光を通してしまいうまく遮光できない
- デザインがメッシュに密着していないと、光が回り込みぼやける
対策はこちら:
- プリンター設定を濃くして出力(OHPシートなど)
- デザインを貼るときは、スプレーのり or セロテープでしっかり固定
このひと手間で仕上がりが大きく変わります!
7.デザインの黒の濃度が薄くないか
感光乳剤は、蛍光灯や日差しなどの「紫外線」にも敏感です。
- 作業はできるだけ暗い部屋で行う
- 電球色ライトや赤ランプが理想
- 暗室がなければ、段ボールで簡易的な暗室ボックスを作るのも◎
露光前に少しでも光が当たるとアウトなので注意!
8.デザインが露光時、版に完全に密着していない
理想は20〜25℃の常温。30℃を超えると乳剤がやや変質してしまう場合も。
- 夏場はエアコンの効いた室内で
- 直射日光やヒーターの風が当たる場所はNG
季節によって作業環境を見直しましょう。
9.作業中に光をしっかり遮断しているか
露光時間、室温、湿度、光源、デザインの濃度など、少しの差が製版結果に大きく影響します。
- 使った道具・露光時間・光源距離などを記録
- 成功したときのパターンを再現できるようにしておく
「数値管理」と「環境の再現性」が成功への近道です。
10.版の乾燥時に部屋の温度は高すぎないか
シルクスクリーン製版は、理屈よりも経験の積み重ねが重要な世界。最初はうまくいかなくて当然です。
- 失敗しても落ち込まず、原因を記録して改善
- 一つずつ工程を確認していくこと
- 「またやってみよう!」という気持ちが一番大切
筆者も何度も版をダメにしてきましたが、そのぶんコツも自然と身についてきました。あなたも少しずつ上達できますよ!
📘まとめ:製版の成功は“観察と記録”から
感光乳剤や露光など、専門用語が多くて難しく感じるかもしれませんが、失敗のパターンにはある程度法則があります。
初心者の方はまず、「環境を安定させて一つずつ試す」という意識を持ちましょう。うまくいかなかったら、その理由を考えてみる。たったそれだけで、次の一回が成功に近づきます。
どうぞ焦らず、楽しく、シルクスクリーンライフを始めてくださいね!
私も製版の失敗を何度もしてしまい悲しい思いを繰り返しました。露光工程は手間がかかるので、失敗すると労力も時間も取られてしまうのが嫌なんですよね〜。今回は製版時によくある失敗を自分なりにまとめてみました。特に露光時間は毎回同じ環境下で数値を測定しながら、自分の成功基準を数値で把握しておくとよいですよ。
※画像は全てイメージです。
※記載している内容は2024年4月現在のものです。
※一般的な使用方法をご紹介しています。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。
