シルクスクリーン印刷で濃生地に水性インクで印刷するとき、そのまま刷ると、どうしてもおきてしまうのがインクの濃度が出ない現象です。私の場合も黒い生地(綿のTシャツやバッグ)に白インクをプリントした時、何度刷っても薄くしかプリントできなくて苦労しました。この失敗を防いだ方法を説明していきます
濃生地はラバーインクの2回刷りで鮮明に印刷できます!
最初に結論からいうと水性のラバーインクで2回刷りで鮮明に印刷できます、
1回目を印刷してドライヤーですぐ乾燥、
その後2回目の印刷を施せば完成です。
この2回刷り、慣れるまで結構難しいです。
特に失敗しやすいのが以下の2点
・枠がずれてにじむ
枠がずれるのってシルクスクリーンでよくあるんです、
しっかりと固定して同じ位置に戻るようにするだけなんですが
意外に難しいです。刷り台は必要かも
・インクが乾燥する
ラバーインクはマットタイプで粘度もあるので、通常の水性インクよりも、乾きやすいので
2度刷りでは特に注意が必要です。インクが乾くと版の孔(インクの通る小さな隙間)がふさがって、詰まってしまい印刷できなくなるだけでなく、版がダメになってしまう事もありますので、インク返し※を必ずしましょう
※インク返し
軽く刷り上げて印刷面にインクを被せておくことをインク返しといいます。インクが下に落ちないように軽く撫でるように柄に被せるようにインクを伸ばしておきます
他にもある!濃生地へ鮮明に印刷する方法
濃生地にキレイに印刷する方法はラバーインクで基本2度刷りですが、他にも濃い生地に刷る方法があるんです
発砲インクを混ぜる
発泡インクは通常のインクと混ぜることで、 プリント部分に膨らみが出せます。この効果を利用すれば、濃生地でもインクを少し発泡させることで、インクノリをよく見せれます(例/発泡インク5:白インク1程度、印刷後アイロン処理で膨らみます)
ただし、発泡剤を混ぜる為にインクの色が薄くなってしまうので白インク以外の場合
気をつけたいところです
番外編:油性(プラチゾル)インクを使う
濃生地に発色面でベストなのは油性(プラチゾル)インクを使うことです。
隠蔽性(下地を透けさせない度合い)はもちろん滲みやインクの乾燥もほぼないという
もしかしたら理想のインクかもしれません。
特に大手のアパレルメーカーやプロのシルクスクリーン屋さんのTシャツやパーカーでは油性(プラチゾル)インクを使っている事がおおいでしょう。
では最初からコレでいいじゃないか!!と思うかもしれませんが、
油性インクは一般家庭での使用には扱いが難しいんです。
・160度の熱を加えなければインキが硬化しない
・清掃やインク落としに危険性があるアセトンやシンナーなどを使う必要がある
などがあります。家庭での制作や環境面を考慮すると、わたしは水性インクのみで制作しています
シルクスクリーンで濃生地に水性インクで鮮明に印刷する方法は、水性ラバーインクで2回刷る方法が私が実際に試したなかでは有効でした。1回目印刷後の乾燥はインクを完全に乾かせる必要はなく、軽く固まった状態でもOKでした。
水性インクを使用したシルクスクリーンは手早く行った方がうまく行きます。
私の場合、ラバーインクは硬めなので、様子をみながら少し水を混ぜたりしても上手くいきましたね。
シルクスクリーン印刷での濃生地への印刷は
インクの種類と印刷方法を正しく選べば、きっと上手くいきますので一度トライしてみてください!