ラジドリ(RWD、リアホイールドライブ)の車両のキャンバー角度は、タイヤの接地面の角度を調整するための重要な要素です。
キャンバー角度は、タイヤが傾斜しているか、垂直に接地しているかを示す指標です。
一般的に、ラジドリのキャンバー角度はネガティブが基本ですが、
その理由やトラクションに与える影響について説明します。
タイヤと路面の接地面積を変更するのがキャンバー角です。グリップ感や旋回性に関わるのでセッティングの中でも基本的な部分です。ドリフト角度のコントロールやトラクション具合に影響があります
Contents
キャンバー角と車高調整はラジドリの基本セッティングの部分
キャンバーはタイヤが垂直の状態をキャンバー角度0で基本の状態、内側に倒れている状態はネガティブキャンバーといい、このネガティブキャンバーで調整するのが基本で、外側に倒すポジティブキャンバーにはほとんどしません
ラジドリのネガティブキャンバー角度は、タイヤの上部が内側に傾いており、下部が外側に傾いている状態を指します。この設定により、以下のようなメリットが得られます。
- ターンイン(曲がり込み)特性の向上: ネガティブキャンバーは、車がコーナーに進入する際にタイヤの接地面積を最大化し、トラクションを向上させます。これにより、ハンドリングが向上し、高速コーナリング時の安定性が増します。
- タイヤの均等な摩耗: ネガティブキャンバーは、タイヤの均等な摩耗を促進します。外側のタイヤエッジがコーナリング中により多くの荷重を受けるため、均等な接地面を保つのに役立ちます。
出典:MOBY
トラクションへの影響
ラジドリのキャンバー角度は、トラクションにも影響を与えます。
ネガティブキャンバーは、コーナリング時にタイヤの接地面積を最大化するため、
トラクションの向上に寄与します。また、キャンバー角度がタイヤのロール特性にも影響を与え、車両の動きを制御する際に役立ちます。
ただし、トラクションに関しては、キャンバー角度だけでなく、他の要因(タイヤの種類、路面状況、サスペンションの設定など)も重要です。最適なトラクションを得るためには、これらの要因を組み合わせて調整する必要があります。
総括すると、ラジドリのネガティブキャンバー角度は、ハンドリング特性の向上やトラクションの向上に寄与しますが、その効果は他の要因と組み合わせて最適化されることが重要です。また、走行状況や目的に応じてキャンバー角度を調整することが重要です。
トラクションって何?
トラクションは、車両が路面と接触しているときの、タイヤと路面間の摩擦力やグリップ力を指します。これは、車両が加速、ブレーキング、コーナリングなどの動作を行う際に非常に重要な要素です。エビデンスを元にトラクションについて解説します。
- 摩擦力によるトラクション:
- タイヤと路面の摩擦: タイヤが路面と接触すると、タイヤのゴムと路面のアスファルトやコンクリートなどの材料間で摩擦が発生します。この摩擦力がトラクションを生み出します。これにより、車両は加速や制動時に路面を押す力を得ることができます。
- トラクションの重要性:
- 加速: トラクションは、車両が加速する際に必要な要素です。タイヤが路面にしっかりとグリップしている場合、エンジンからの動力が効率的に路面に伝わり、車両は速度を上げることができます。
- ブレーキング: 同様に、ブレーキング時にもトラクションが重要です。タイヤが路面にしっかりと接触している場合、ブレーキ力が効果的に伝わり、車両は早く停止することができます。
- コーナリング: タイヤと路面の摩擦力は、コーナリング時にも重要です。十分なトラクションがない場合、タイヤはスリップし、コントロールを失う可能性があります。逆に、良好なトラクションがあれば、車両はコーナーを安定して通過できます。
- 影響要因:
- 路面状況: 路面の状態(湿度、砂、雪、アイスなど)はトラクションに大きな影響を与えます。滑りやすい路面ではトラクションが低下し、適切な注意が必要です。
- タイヤの状態: タイヤの種類、摩耗度、タイヤの空気圧などもトラクションに影響します。適切なタイヤメンテナンスはトラクションの向上に寄与します。
- 車両の重量配分: 車両の前後の重量配分もトラクションに影響を与えます。過度に前後に重さがかかる場合、トラクションが失われる可能性があります。
トラクションは安全な運転やハンドリングに不可欠な要素であり、車両の安定性と制御に直接影響します。したがって、適切なトラクションを維持し、運転条件に合わせて適切に対処することが重要です。
キャンバー角は専用ツールで正確に調整するクセをつけよう
キャンバー調整は専用のキャンバーゲージを使いましょう。アッパーアームの長さを変えながら角度(0.5~1度単位)を調整します
キャンバー角の調整でグリップ感・操縦性を変えられる
リアの基本角度は2~3度
寝かす・倒す(ネガティブ) | トラクションUP↑、車速UP↑ |
起こす(ポジティブ) | 角度コントロール性UP↑、加速度DOWN↓ |
リアキャンバーでは2~3度を基本とし、キャンバー角度を増やすとロールした時に沈み込んだ外側のタイヤはトレッド面全体が路面と接地して横方向の動きをコントロールしやすくなり、タイヤと路面の摩擦も増えるので車速も上がります
フロントの基本角度は6度
寝かす・倒す(ネガティブ) | 操作性↑、ハンドルリニア感↑ |
起こす(ポジティブ) | 安定感UP↑、マイルドさ↑ |
フロントキャンバーは6度を基本として、 スピンしがちならばさらに寝かす方向に調整、旋回時に機敏すぎる場合は起こす方向にしてみましょう
キャンバー角度調整についての総括
キャンバー角度の調整は、車両のグリップ感や操縦性に影響を与える重要な要素です。
以下は、キャンバー角度の変更がどのようにグリップ感と操縦性に影響を与えるかについてのの説明です。
- キャンバー角度の基本:
- キャンバー角度は、タイヤが垂直から傾斜した角度を示します。ポジティブキャンバーは、タイヤの上部が外側に傾斜し、ネガティブキャンバーは内側に傾斜します。
- ポジティブキャンバーは、一般的に安定性を向上させ、高速走行時に優れた直進安定性を提供します。
- ネガティブキャンバーは、コーナリング時にタイヤの接地面積を最大化し、トラクションとハンドリングを向上させるのに役立ちます。
- グリップ感への影響:
- ネガティブキャンバー角度を調整すると、タイヤがコーナー中に路面とより効果的に接触するため、グリップ感が向上します。これは、コーナー中にスリップを最小限に抑え、タイヤが路面から滑るのを防ぐのに役立ちます。
- 特に高速コーナリング時や急な方向転換時に、ネガティブキャンバーは安定性を維持し、グリップ感を高めます。
- 操縦性への影響:
- ネガティブキャンバーは、車両の操縦性を向上させます。タイヤの接地面積が最適な位置にあるため、運転手はより正確に車両を制御できます。
- 特にスポーツカーや競技車両では、ネガティブキャンバー角度が適切に調整され、高度な操縦性を提供します。ドライバーはコーナリングや急発進時により高い自信を持つことができます。
- タイヤの均等な摩耗:
- ネガティブキャンバーは、タイヤの均等な摩耗を促進します。コーナー中に外側のタイヤがより多くの荷重を受けるため、均等なタイヤの摩耗を実現します。
ただし、キャンバー角度を調整する際には、走行条件や目的に合わせて慎重に設定することが重要です。キャンバー角度が過度に調整されると、直進安定性が悪化し、タイヤの偏摩耗が発生する可能性があります。したがって、適切なバランスを見つけるために、専門的な知識と敬遠やテスト走行が必要です。