Tiny Whoopはマイクロドローンの一種ですが、元々はマイクロドローンはレースやフリースタイル用ドローンから派生したものです。最近は4K/60fps撮影が可能となったCine Whoop(シネフープ)やGoproを乗せたUMMA85などの高画質撮影が可能なマイクロドローンも登場していて、撮影のためのドローンとしても人気を集めています。そうなってくると一般的に知られる空撮用ドローンであるDJIのPhantomやMavicとの違いは何か初心者には分からないので少し調べてみました。
Contents
空撮用ドローンとマイクロドローンの違い
同じドローンでも操作方法が違います
空撮用ドローンは、各種センサーの働きでコントローラーから手を離しても空中で安定(ホバリング)します。それに比べマイクロドローンは常に送信機のレバーを調整して機体を安定させる必要があります。つまり空撮用ドローンの操縦は『半自動で方向の移動操作だけ』に対し、マイクロドローンは『機体のバランス&調整に加えて移動操作も常に必要』だということ。センサーで自動に機体を安定状態にしてくれる空撮用と操作なしではまともに飛行すら出来ないマイクロドローンでは操作方法も別の乗り物位に違います
撮影できる画角と構図の違い
空撮用ドローンはジンバル(ブレを画期的に補正する機械)がついているので、綺麗で滑らかなな動画を撮ることができます。、またパン・チルトの操作もできるので希望のアングルで撮影が可能。マイクロドローンはカメラが機体に固定なので、機体姿勢=アングルなので高い飛行操縦技術が必要ですが、それゆえに面白いアングルで撮影出来るのもマイクロドローンの魅力でしょう。マイクロドローンの映像は機動性やスピード感があり操縦者の技術次第では多様な表現が楽しめます。空撮用ドローンの安定感も魅力的ですので、上手く使い分けするのがベストですね。
使う電波の違いで免許が必要
空撮用ドローンは操縦・映像伝送に2.4GHz帯電波を使用
免許不要
↑空撮用ドローンは操縦・映像伝送に2.4GHz帯の電波を使用。これらは無線LANのような技術基準を採用しているため免許不要で飛ばすことができる。スマートフォン等と専用アプリでカメラ映像をモニタリング可能。DJIの「Mavic」や「Phantom」、「Inspire」シリーズに採用されているのもこの周波数帯。
レース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)は映像伝送(FPV)に5.8GHz帯電波を使用
免許必要(映像伝送5.8GHz帯使用部分)
↑ドローンレース機は操縦には空撮用と同じく2.4GHzの電波、FPVゴーグル・モニター等への映像伝送に5.8GHzの電波を使用
※従事者免許(アマチュア無線4級免許等)と無線局開局が必要です。
搭載カメラの違い
空撮用ドローン
3軸ジンバルを搭載しているので、映画のような美しい映像を撮影できます。自動ホバリング&自動撮影モードで初めてでもプロのようなカメラワークで撮影も可能
レース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)
高速飛行させるドローンレースでは映像の遅延を避けるためFPVカメラは遅延の少ないアナログ映像が多く使用されています。そのため画質は粗く、録画機能がないものが基本なのでレース機で録画する場合はGoPro等を別途搭載することが多いです。カメラは固定でパン・チルトはできないので飛行技術でアングルを変えたりする必要があります。今回はマイクロドローンに使用するカメラの中でもTiny Whoopに絞り、撮影用カメラが一体型になった小型カメラモジュールを紹介します。
というのも
マイクロドローンでも少し大きくなると日本、特に私の住んでいる東京都では飛ばせる場所がかなり少ないです。100g以下なのはもちろん、TinyWhoopは日本で飛ばすには本当に向いていると感じます。あまり細かく分けるとややこしくなるので、空撮用とレース・フリースタイル用ドローンに分けていますが、ここでいうレース・フリースタイル用ドローンは今回はマイクロドローンの話として書いています。
↑わたしが今(2020年8月時点)買うならこのANGER 85X 4Kでしょうか。カメラはCaddx Loris 4K。4S 450mAhを使うと飛行時間は6分半~7分。重量72g(バッテリー含まず)。VTX出力も200mwあるので外部レシーバーをつければ遠くまで飛ばせそう。まさにわたしの理想のマイクロドローン(TinyWhoop)です。
操縦の違い
最後に操縦に関する違いです。空撮用は飛行補助の機能が充実しており、撮影以外の操作はセンサーで制御されます。
レース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)は補助機能がほぼないので、手動で常にスティックを操作して操作の必要があります。※水平を維持するためのジャイロセンサーは搭載されている場合が多い
空撮用ドローン
プロポはセンターニュートラルでスティックを離しても高度を維持する
レース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)
ホバリングさせるには常にスティック操作が必要
技適マークについて
技適マーク は「 技術基準適合証明マーク」 の略で電波法で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するもの。海外からの並行輸入品や個人輸入したものは、電波法の基準を満たしていない場合があり、日本での使用は違法になる可能性がありますので注意しましょう。
空撮用ドローンとレース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)の違いについて開設しました。基本免許が不要で様々な操縦補助機能により映像を撮影する事に特化した空撮用ドローン。FPVには免許が必要で飛ぶ事に重点を置いた分、日本ではややマイナーで飛行操縦技術が求められるレース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)という特性になりますね。しかし昨今のマイクロドローンの進歩は相当早く、あっというまに軽量で長時間飛行が可能な4Kカメラも出てきました。レース・フリースタイル用ドローン(マイクロドローン)で飛行技術を学ぶ事であらゆるドローンの操縦はしやすくなると思いますが、どうしても免許と開局申請のハードルはなかなか高いですよね。しかし!私にとっては、この狭い日本・東京でレースや空撮、カスタムも楽しめるという楽しさ満載のマイクロドローン(FPV)において、そのハードルはより深く知る為の楽しい工程でした(笑)